AI戦略2019において文理を問わず、全ての大学・高専生が,その課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得することが具体的な目標とされ,「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」が2020年度から運用が開始されています.2025年度8月時点でリテラシーレベルが592件(24年度は494件),応用基礎レベル366件(同243件)が認定されています.それぞれのレベルには,モデルカリキュラムもありますが,各校では授業のシラバスの変更などの様々な工夫などによって,認定を受けていることと思います.さらに,高等学校の共通科目「情報」での「情報I」必修化,また,2024年度からの共通テストへの導入などによって,改めてどのようなシラバスにするか,どのような授業内容にするか,試行錯誤されている先生も多いのではないでしょうか?
中央教育審議会教育課程企画特別部会における論点整理から抜粋
高等学校では,情報Iの必修化に伴う教員不足,共通テストに対する対応,教科書内容と授業時間との関係,情報IIを導入したくてもなかなかできない状況など.高校の先生方も大きな悩み・課題をお持ちです.
中学校では,技術・家庭科(技術分野)が情報教育の種となる科目ですが,こちらも教員不足や,技術専任の教員の配置,広範な技術内容を総合的に教える事のできる人材の育成など,大きな課題があります.
上記問題以外に,中・高・大の接続性について大きな問題があります.AI戦略2019では,大学卒業レベルでの具体的な目標は掲げているものの,底に至るまでの小・中・高までの道筋がなく,それぞれの校種間の接続について,教科書レベルにおいてみても,決して良いものとは言えないものとなっています.
中央教育審議会教育課程企画特別部会における論点整理から抜粋
中央教育審議会教育課程企画特別部会における論点整理から抜粋
これらの問題を解決すべく,2025年8月に中央教育審議会特別部会における論点整理には,小学校の総合的学習の時間に一定の情報教育の時間を設けること,中学の技術分野が「情報・技術(仮称)」という科目に変更される,という大きな内容が含まれました.現在は,科目ごとのワーキンググループ(WG)が設置され,小学校における情報活用能力,中学における情報・技術(仮称),高校の情報I・情報IIについての議論が「情報・技術WG」で行われています.
このような中,教育システム情報学会の果たす役割について考えたとき,学会で蓄積した学習・教授支援システムで得られた知見を,教育現場の教員を支援するための「モデル」として提示することによる,各機関での課題を解決が可能であると考えています.